2010/06/30

■グラフィック薄氷大魔王[226] 発泡スチロール立体制作の課題と新しい材料

■グラフィック薄氷大魔王[226]
発泡スチロール立体制作の課題と新しい材料

吉井 宏
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アナログとデジタルを振り子のように往復する僕。アナログへの大きな揺り返しで「以前から作ろうと思ってた特大のFRP人形を、今作りたい、今見たい!」状態になり、ついに発泡スチロール造形に手を出した、というのが5月に書いたあらまし。その後、数週間かかってとりあえず一個完成しました。制作過程はTwitterに写真付きで実況中継的に書いてましたのでそちらをどうぞ。

twilogの検索結果
< http://twilog.org/tweets.cgi?id=hiroshiyoshii&word=発泡スチロール >

前回の記事
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20100526140700.html >

一個作ってみて、いろんな収穫がありました。材料は今回使ったものでほぼ大丈夫なようですが、問題点が二つ。スプレーと強度についてです。

今回の塗装はほぼ筆塗りのみでした。スプレーは下地の仕上げに軽く吹いたサーフェイサーと、最後のツヤ出しのトップコート(3缶空にした)に使いました。引っ越してから本格的なスプレー作業は初めてだったのですが、外の階段のところでスプレーするのはかなりキツい。高さがあるのでいつも強い風が吹いてるし、風が弱いときは吹いたスプレーの霧がいつまでも真っ白に漂う。近所の部屋には完全に迷惑だし、遠くから見たら煙が出てるように見えそう。

なので、スプレーの使用を皆無にできないかなと。サーフェイサーは、どうせサンドペーパーをかけちゃうので筆塗りでも問題ない。問題はツヤ出しトップコート。実はスプレーしたトップコートは、キレイな部分はとことんキレイでツヤツヤだけど、そうでもない部分はそうでもないのだ。大きなものの全体を一様に吹くのはむずかしい。

遠くの部分には乾きかけの粒子がくっつくのでザラザラになってしまう(その点、硬化が遅いウレタンスプレーがいいらしいので機会があったら試したい)し、ときたま大きな飛沫がビシャッと飛ぶことがあってガッカリする。次にやるときは、トップコート/クリアーの塗料を筆で塗ってみようと思う。意外に味があっていいかも。

あと、強度の問題。エポキシパテを全体に盛って削る方法は手軽で確実でいいのですが、盛りを均一にできなくボコボコなので、厚みがよくわからない。なので、削って整形していくうちに薄くなりすぎる部分があるようだ。実は、塗装中に手が滑って15cmくらいの高さから机の上に落下したのですが、肉厚が薄い部分に小さなヒビが入ってしまいました。高密度発泡スチロールなので重量が約1kgもあることが災いしたんだけど、硬度があっても衝撃には意外と弱いみたいです。

いちおう、「アート作品ないしはインテリア」みたいなものであって、動かしたり投げたりして遊ぶものじゃないので、強度は重視しなくていいとは思うのです。しかし、机の上で倒れてひび割れちゃうんじゃ弱すぎる。本格的にFRPに行っちゃえば問題ないんだけど、そこまで大げさにしたくない。

で、現在、代わりの素材をテスト中。エポキシ樹脂を使ったFRPみたいな方法があるとのことで、樹脂とガラスクロス(みたいなもの)を買ってきました。発泡スチロールに塗って試してみたところ、エポキシ樹脂はそれだけでも相当強度があってカッチカチだけど、ペンチでぶっ叩くと割れたりヒビが入る。ガラスクロスを入れて硬化させたものはさすがに丈夫です。

それで十分と思われるので次回作はエポキシ樹脂でやるとして、検索して見つけた「グラスファイバー入りパテ」が気になってしょうがない。クルマのバンパー等の修理に使うもので、なにしろ繊維が混ぜ込んであるので強度はすごそう。そういえば!と思って一度も入ったことがなかった近所の自動車用品ショップに行ってみたところ、置いてありました!それどころか、エポキシパテやFRPセットから塗料まで、フィギュア制作に使える樹脂系の素材が何でも揃ってる!もっと早く気づけばよかったー。

で、ファイバー入りパテを試してみました。ポリエステルパテなので、発泡スチロールに直接塗ると溶けてしまう。あらかじめ水性塗料を塗って皮膜を作っておいた。パテは暗い黄色で繊維入りなので、見た目がほとんどカボチャの煮たやつのグジュグジュになったところそっくり。ヘラで伸ばすとまとまった感じで伸び、ラクに均一に盛れてなかなか良い。

ところが、水性塗料の皮膜が弱かったのか、発泡スチロールを溶かして浸食しはじめ、最終的に1cm近く陥没してしまった。皮膜は専用の塗料があるらしいのでそれを使うほうがいいでしょうね。で、硬化したファイバーパテの強度はといえば、ものすごく頑丈です。出せるかぎりの力で思いっきりペンチでぶっ叩いても、表面がちょっと白っぽくなるだけでビクともしない。さすがクルマ用!この強度はどこかに使いたい。

< http://www.yoshii.com/dgcr/fiberputty.jpg >

【吉井 宏/イラストレーター】

ScanSnap、もうスキャンするものがない〜。延べの厚さにして2.15mの、ScanSnap処理数週間分の本の残骸の山。(スキャンしないで処分するものも一部含んでます)
写真 < http://www.yoshii.com/dgcr/scansnapbooks.jpg >

●「毎月1日は映画サービスデー」CMに「ヤンス!ガンス!」登場
映画館に行くと、本編上映前に必ず流れる「映画サービスデーの広告、兼、マナー広告」CMってありますでしょ。あのCMにヤンス!ガンス!が登場です。現在、都内の映画館のほぼ全館で見れるはずです。エリアは拡大予定。TVK(テレビ神奈川)で日曜18:25 〜 18:30放映中。music.jp、Wiiシアターの間でも配信中。アヌシー国際アニメーション映画祭2010 TVシリーズ部門にノミネートされてましたが、受賞は逃したようです。

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TDW_1935

2010/06/23

■グラフィック薄氷大魔王[225] ScanSnap、カッター裁断のコツ

■グラフィック薄氷大魔王[225]
ScanSnap、カッター裁断のコツ

吉井 宏
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この数週間で、厚さにして約2メートルの本・雑誌・ムック本をScanSnapしました。文庫など字だけの本はほとんどスキャン終了。本棚は目に見えてスカスカになってきました。過去数年間のどこかの時点でこれをやる決心がついてれば、数千冊分のPDFができてたかと思うと、処分した本がホントにもったいない。

「読書家」の人たちは一ヶ月に何十冊も読むわけで、彼らの半年分にも満たない本をいっしょうけんめいスキャンして残してるのはバカバカしく見えるかもしれない。でも一応、引越の時にどうしても処分できなかった選りすぐりの本ばかりなんです〜。

で、集中してScanSnapしてると、「これはコツかも」って気づくことが多い。ちょっとメモしてみたら、記事になりそうだったのでまとめてみました。こういった作業に慣れてる人にはわかりきったことでしょうけど。

○カッターによる裁断編

ScanSnapスキャン時に一番多い失敗は、糊でくっついた2枚が同時に引き込まれてグチャグチャになること。なので、背・のどの部分は深めに切り、糊でくっついてるところを皆無にしておく。ペラペラめくって確認する。

無理なく切れる厚さに分ける。切る力が少なくて済むし、垂直に均等サイズに切れる利点もある。

幅の広い定規を使う。立って肩から垂直に体重をかけ、掌で押さえると疲れない。手先で定規を押さえると疲れるし、親指を切る危険がある。掌で押さえると通り道近くに指がないので安全。

手前ほど力を入れて切ると平均的に切れる。たいてい、奥の切りはじめが力が入るので先に切れ、手前が切れないまま残ってケバケバになるので。

主に大きいカッターを使う。刃が厚いのでしならず、垂直に切れる。刃はできるだけギリギリの長さだけ短く出して使う。大きく出すとしなるし、折れる危険がある。普通サイズのカッターはコート紙など密度があって硬い紙の切り終わりあたりで使う。

カッターは、チキチキ式よりネジ止め式のほうが大量切り作業に向いてる。

カッターの刃の先端に衝撃を与えない。机の端にカッティングマットと本の端を合わせ、切り終わったカッターが本の端からはずれてカッティングマットに激突するのを防ぐ。つまり、切り終わったカッターに宙を切らせる。こうするとカッターの刃がだんぜん長持ちする。

カッターの刃は、折り線の入ったところから折る必要はなく、ペンチで数mmずつ折って使えばいいんです。切れ味に関係するのは先端だけなので。

力を入れて5回で切るより、あまり強くせず10回で切るほうがラクだしきれいに切れるっぽい。

カッティングマットの下に滑り止め(ハンズで売ってるアミアミのヤツ)を敷いて切ると、強く切ってもズレなくて非常に具合がイイ。ぜんぜん効率がちがう。定規の下にも滑り止めするとさらに切りやすくてびっくりする。

何十冊でも、一気に裁断しておく。裁断はちょっと気合いがいるので、スキャンするものがなくなると、そこで作業が止まってしまうので。

何にしても、カッターを使うときは一瞬たりとも気を抜かない。刃の通り道や力余った行き先に気をつける。

○ScanSnap編

しおりとか新刊案内のチラシ等が入ってることがあるので注意する。しおりのヒモや付箋も取り除いておく。

ScanSnapの設定で、文字主体の本は「文字をくっきりする」をオン、絵や写真主体の本はオフにする。

紙の束を取り込み口に置くとき、奥ほど下になるようにあらかじめ斜めにずらしてから置く。

スキャンする前の紙の束の置き方を決めておくと、ページの上下や順番を間違えなくて済む。

読み込み失敗しやすいのは雑誌「Pen」などの薄いツヤツヤの紙。枚数少なめでスキャンするのが安全。

一度に分厚い束を入れると重みで滑りが悪くなって失敗。かといって、少なすぎると軽すぎて引き込まなくて失敗することがある。紙の種類によって束の厚さを変える。

ScanSnapの排出口の下に、スキャン済みの紙が散らばらないように木片などを置いて囲いを作っておく。紙の束がまとまるので処理しやすい。

置いた枚数がなくなる前に追加しなきゃと焦りがちだけど、終わってからでもスキャンボタンを押して継続読み込みすればいいので、気にしないこと。連続スキャンを気にしてると他のことが何もできなくなる。

読み込み失敗しても、ダイアログに出ている読み込んだ最後のページの次のページから平然とスキャンを継続。たいてい問題なし。

カバーはフラットベッドスキャナで全体をスキャンし、表紙だけ使う。折り返しに大切な情報があったりする。

○PDF編

Acrobatの設定など、正しいやり方なのかよくわからないんで、また別の機会にします。

先週、「i文庫HDは表紙のみ表示ができない」と書きましたが、「先頭頁は見開き」をオンにすると、表紙のみで表示できますね。これで表2をわざわざ削除しなくても大丈夫。で、Macのプレビュー.appでも自動で表紙だけ表示になるし、Adobe Readerでも大丈夫。ところが、Acrobat Proでは書類の初期表示を表紙表示にしておいても、なぜか自動ではそう表示されない〜。

【吉井 宏/イラストレーター】

そういえばMac miniの新しいのがようやく出たんですね。薄い! それこそCintiq12インチの裏に両面テープで貼って使ってみたい。ところで、Evernote、有料版はiPhoneやiPadでもオフラインで見れると聞いてたのに、オンラインでないと読めないノートがある。と思ったら、「オフラインのノートブック」をオンにしなくちゃいけないことにようやく気づいた。設定すると、全ノートがダウンロードされてiPhone・iPad等に保存され、それでオフラインで見れるのでした。

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2010/06/16

■グラフィック薄氷大魔王[224] 電子書籍の自炊と、「i文庫HD」

■グラフィック薄氷大魔王[224]
電子書籍の自炊と、「i文庫HD」

吉井 宏
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今、ものすごい勢いで本をScanSnapしてPDF化してます。買ったばかりの本も惜しげもなく裁断して電子書籍化。

とにかく、内容そのままで質量ゼロになるのが痛快でしかたがないのです。電子化することで機能アップもしてます。Adobe Acrobat ProはOCRテキスト認識もできるので、紙の本の最大の弱点だった検索が可能になるのです。

最近はむしろScanSnapする前提で本を買ってます。紙だけで売ってる現状が不自然に思えるほど。今まで古本屋に出した本は中身ごと出しちゃってたのがもったいなかったー! 置き場の心配がなくなったら本を買う量が増えた。読む量はあんまり増えてないけど。裁断、以前は少しは抵抗ありましたが、「買ってすぐ裁断」という禁断の一線を越えたとたん、平気になりました。

iPad用のPDFリーダーとして、「CloudReaders」と「GoodReaderHD」を用意したんだけど、次ページの読み込みのタイミングが遅いのと見開き表示できない点でイマイチ。ちゃんと読むにはパソコンしかないかな、と思ってましたが、いいのがありました。アプリとしては700円と高価なので後回しにしてたんです。

「i文庫HD」。これいいねえ! ページめくりはスムーズだし、見開きもできるし拡大縮小も自由自在。余白を画面外に出して本文部分のみ表示できるし、ダブルタップで部分的に拡大縮小できるのも使いやすい。いやもう信じられないくらい、本の閲覧が快適です。zipのまま放り込んでも大丈夫。よくわからんけど世界に誇るアプリって感じ?

取り込んだデザイン関連雑誌やムック本なんかを見開きで見ると「縮刷版」って感じで、なかなか良いです。それで自炊に拍車がかかっちゃったんです。閲覧したPDFの表紙が「本棚」にきれいに並ぶのもうれしい。iPadがもうひとまわり大きかったらなあ。画面サイズがA4くらいあれば、画集なども見応えがあって良さそう。

もちろん「i文庫HD」は自炊PDFを見るのが目的のアプリじゃなく、本来の電子書籍を読む機能も充実してます。230冊もついてくる内蔵書籍や青空文庫等を見るときは「T-time」のように書式や色も変えられて便利。至れり尽くせりです。

ただし、純粋にマニュアルとかのPDFを見るには向かないようです。PDF内の検索もできないし、表示もちょっと遅い。普通のPDFを見るには「GoodReaderHD」がベストかな。

スキャンしてPDFにした書籍のデフォルトの開き方を「見開き(表紙)」にしてページ構成してあると、i文庫HDでは表紙表示がないので1ページずれる。「表紙は1ページだけ表示」にできればいいんだけど。また、PDFにしおりをつけてパソコンに戻しても、しおりは反映されないです。

iPad向け自炊の注意点。ScanSnapの設定で、「白黒(白黒2値)」と「カラー(JPG)」のどちらか選ぶんだけど、文庫本などの字だけの本って「白黒」のほうがいいって思うじゃないですかー。実際データ容量も軽いし。でもiPadで開くと「白黒」ってめちゃくちゃ重いのです。フリーズしたかな?ってくらい重いです。同じ本をカラー(JPG)で取り込んでiPadで見てみたところ、ぜんぜん軽い!うぬー!すでに捨てちゃった本はしょうがないけど、ここ数日間で白黒で取り込んだ本は全部スキャンしなおしだー!

と思ったら、白黒PDFをJPGで書き出して、「ファイルを単一のPDFに結合」でAcrobatに読み戻せばいいのでした。白黒でScanSnapした本を適切にカラーに変換処理すると、カラーでスキャンしたものよりきれいかもです。写真は真っ黒だしページの汚れが多少残るものの、黄ばみが飛んでしまうので全体的にすっきりきれい。

自炊。なんか既視感があると思ったら、十数年前、CDをMP3化し始めたときの気分です。でも、CDはマスターとして取っておけるけど、本は捨てちゃうから再スキャンできない。なので、画集や作品集や絵本などの「とっておきの本」は、ScanSnapの画質がさらに良くなってからにするつもりです。

○参考

7年ぶりに発掘された初代ScanSnap
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20080618140100.html >

ありったけScanSnap
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20090603140300.html >

○おまけ

裁断機は今のところ必要を感じません。カッターで切るのが非常にうまくなりました。大小のカッターを使い分け、刃をケチらずポキポキ折って使うのがミソです。背表紙を切り落とす前に無理なく切れる厚さに分割するのですが、それは裁断機でも同じわけで。そもそも、1年前の引越のときに、処分できそうな本は全部処分したので、残ってる本でScanSnapできる本はそう多くないのです。CDからMP3のときと同様、まもなく紙の本より電子書籍を買うほうが増えるでしょうし。

で、裁断してScanSnapし終わった単行本の紙に、太いサインペンやダーマトグラフでドローイングっていうかラクガキすると楽しいよ! 文字組がグリッドの役割をするし、もともと捨てる紙だからまったく気負いなく自由に描ける。ラクガキ用紙はもう一生買わなくていいかも。

ところで、「i文庫HD」のアイコンと「Air Display」のアイコンが、パッと見そっくり。よく使うアプリは1ページ目に置くので、まちがえそう。

【吉井 宏/イラストレーター】

「はやぶさ」帰還。しばらく前に、例の「こんなこともあろうかと!」の動画を見てたので、よけいに感激。地上との交信を終える25分前に撮影した地球の画像が泣かせる。「最後にはやぶさに地球を見せてやりたいと、わざわざ姿勢を反転」って。イトカワ、はやぶさ、のネーミングの由来を含めて、日本人の琴線に触れまくりの究極ニュースでした。このマンガも泣かせる↓
< http://drawr.net/show.php?id=1478887 >

●「毎月1日は映画サービスデー」CMに「ヤンス!ガンス!」登場
映画館に行くと、本編上映前に必ず流れる「マナー広告、兼、映画サービスデーの広告」CMってありますでしょ。あのCMにヤンス!ガンス!が登場です。現在、都内の映画館のほぼ全館で見れるはずです。エリアは拡大予定。TVK(テレビ神奈川)で日曜18:25 〜 18:30放映中。music.jp、Wiiシアターの間でも配信中。アヌシー国際アニメーション映画祭2010 TVシリーズ部門にノミネートされてましたが、受賞は逃したようです。

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TDW_1928

2010/06/09

■グラフィック薄氷大魔王[223] iPad用ペンを自作(ってほどのもんじゃないけど)

■グラフィック薄氷大魔王[223]
iPad用ペンを自作(ってほどのもんじゃないけど)

吉井 宏
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iPad用として、pogo sketchというペンを使ってます。先端の黒い素材は「導電スポンジ」というものだそうです。メモリーとかの梱包に使われる静電気防止用の素材だそうで、普通に手に入ります。これを使って自前でiPadのペンを作ってみました。

●導電スポンジ + 鉛筆ホルダー
Twitterで自作ペンの話題が出てたので、自分でも作りたくなってやってみた。細く切ったスポンジを二つ折りにして突っ込むだけです。スポンジが奥に入っていかないように(綿棒の代わりに)糸で中に通せんぼを作ったところだけがオリジナルとちがうところ。

< http://www.yoshii.com/dgcr/ipadpen/ipadpen-holder1.jpg >
< http://www.yoshii.com/dgcr/ipadpen/ipadpen-holder2.jpg >

まあ、描きやすいかといえば、pogo sketchには及ばない。スポンジを折った部分がかさばるし、断面が四角なので画面でどこがペンの中心なのかわかりづらい。そこで、導電スポンジの先端をサンドペーパーでpogoペンのように荒らしてみた。こんどはなかなか描きやすい。ちょっと軽すぎる。中に何か金属や粘土などを詰めればいいんじゃないかな。

< http://www.yoshii.com/dgcr/ipadpen/ipadpen-holder3.jpg >

●導電スポンジ + 極太芯ホルダー
金属製の太い芯ホルダーに導電スポンジをつけてみた。っていうか芯を挟む機構の先端部にスポンジをくわえさせただけ。自重があるので押しつける力が少なくて済むので描きやすいぞ! でもiPadのガラスにぶつけるとちょっとコワイかも。

< http://www.yoshii.com/dgcr/ipadpen/ipadpen-metalholder.jpg >

●超お手軽シリーズ1 導電スポンジ + クリップ
これが究極か? クリップにスポンジをはさんだだけ。ちゃんとまともに描ける。

< http://www.yoshii.com/dgcr/ipadpen/ipadpen-clip.jpg >

●超お手軽シリーズ2 導電スポンジ + 鉛筆キャップ
鉛筆キャップに導電スポンジを突っ込んだだけ。ちょっと持ちにくいけど、こちらもちゃんと描けます。

< http://www.yoshii.com/dgcr/ipadpen/ipadpen-cap.jpg >

キリがないですね。っていうか、導電スポンジと金属の組み合わせなら、何でもペンとして使えます。要するに、スポンジと金属部が接触していて、金属部が手に直接触れるから、iPadのペンとして機能するのです。手まで電気が通ればいいだけなので、以前書いたように、煮物のイカの足やネギでもオーケーなのです。

pogo以外のペンもいくつか購入しましたが、導電スポンジでない導電ゴム(?)等を使った製品はイマイチでした。導電スポンジを使った製品でも、先端が細めのものはかなり強く押しつけないとダメで、絵を描く用には適さないようです。

●番外編 綿棒 + ピンバイス
ピンバイスに水で濡らした綿棒をつけてみた。すげー描きやすい! 摩擦も安定してるし、細かい動きもちゃんと拾ってくれる。これが決定版かも? 綿棒は綿の部分だけでなく、軸にもたっぷり水を含ませて金属部分にかませないと反応鈍くなりますので注意。塩水ならもっと描きやすいかもしれないけど、画面に粉吹きそう。

< http://www.yoshii.com/dgcr/ipadpen/ipadpen-pinbice.jpg >

面白くていろいろ試してしまいます。iPad、指でもペンでも絵を描くのに使えるか微妙で、実用になるかスレスレ。もしかしたら、ちょっとした工夫でものすごく描きやすくなるかもしれないと感じさせるところがおもしろくて、夢中になっちゃうのです。

まあ、変にペンを工夫するより、ペンより描きやすいと思うくらいに指で描くのに慣れちゃうほうが正解かもしれないですけどね。

【吉井 宏/イラストレーター】

新しいCintiq 21インチを借りて試してました。intuos4相当のタブレット性能とのことで、やはり軽い筆圧で描けるのは非常にイイです。ペンを長めに持ってかすらせるように描けます。従来のCintiqとは別モノな感じです。裏側に配置されたタッチパッドも便利です。しかし、やはりデカいですね。キーボードを置くスペースも困る。Painterでイラストを描くのがメインの仕事だった頃なら迷わず買うところですが。
で、WACOMがintuos4とCintiqの自宅お試しサービスを始めたそうです。台数少なめですが、こういうデバイスって実際じっくり使ってみないと購入の判断がむずかしいので、いい機会だと思います。
< http://tablet.wacom.co.jp/rental/ >

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< http://meatordie.com/ >

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2010/06/04

iPad用ペンを自作(ってほどのもんじゃないけど)


pogo sketchというペンを使ってるのですが、先端の素材は「導電スポンジ」というものだそうです。メモリーとかの梱包に使われる静電気防止用の素材だそうで、普通に手に入ります。これを使って自前でiPadのペンを作ってみました。参考にしたのはTwitterのこの書き込み

参考にしたものとちがうところは、綿棒を使わず、スポンジが奥に入っていかないように糸で中に通せんぼを作ったってところ。描きやすいかといえば、pogo sketchには及ばない。
で、導電スポンジの先端をサンドペーパーでpogoペンのように荒らしてみた。こんどはなかなか描きやすい。


もう一個。金属製の太い芯ホルダーにスポンジをつけた。っていうか芯を挟む機構の先端部にスポンジをくわえさせただけ。自重があるので押しつける力が少なくて済むので描きやすいぞ! でもiPadのガラスにぶつけるとちょっとコワイかも。
上の鉛筆ホルダーもそうだけど、スポンジと金属部が接触していて、金属部が手に直接触れるから、iPadのペンとして機能するのです。

でもまあ、ペンより描きやすいと思うくらい、指で描くのに慣れちゃうほうが正解かもね。

●おまけ
ピンバイスに水で濡らした綿棒をつけてみた。すげー描きやすい!これが決定版かも?

●おまけ2
これが究極か? クリップにスポンジをはさんだだけ。ちゃんとまともに描ける。

超お手軽シリーズ第二弾。鉛筆キャップに導電スポンジを突っ込んだだけ。ちょっと持ちにくいけど、ちゃんと描けます。

TDW_1922

2010/06/02

■グラフィック薄氷大魔王[222] iPadが来た!

■グラフィック薄氷大魔王[222]
iPadが来た!

吉井 宏
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iPadが届きました。興味ある人なら詳細な記事をもうイヤというほど読んでると思いますので、僕の個人的な印象や具体的な使い道など書いてみます。

購入したのは64GB版のWi-Fiモデル。Macに接続し、何も迷うことなくセットアップ終了。iPod touch用のライブラリをコピーしてiPad用に用意しました。最初の同期で、iPod touchのバックアップデータをiPadに復元。まったくスムーズに使い始められました。

基本的にはiPhone/iPod touchと使い方は同じなのですが、画面が大きいので見やすいし操作しやすいです。写真の画質は非常にきれい。iPadを「デジタルフォトフレームくらいしか使い道がない」とか言ってる人がいますが、極上のフォトフレームとしてだけでも値段分の価値ありそう。

キーボードは画面の中とはいえ、横位置のサイズならパソコンのキーボードとそんなに違和感なく打てます。打つのが遅いのは、iPhone/iPod touchと同じ変換方式なのと、不用意に画面に触れないように指を上げておかなくちゃいけないので。日本語変換はiPhoneOS用のATOKが開発されてるらしいので期待したいです。

iPhoneアプリは全部動くわけじゃないようで、数本のアプリは「インストールできません」になりました。iPhone用アプリは画面中央にiPhoneサイズで表示されますが、右下の二倍ボタンで画面いっぱいになります。変にスムージングがかかるわけじゃないので、荒れなくきれいに見えます。iPadアプリもたくさんインストールしました。iELECTRIBEなど楽器系やSketchbook Proなどお絵かき系、PDFビュアーなど。まだちゃんと使ってないものが大半ですが。

iPadを何に使うか。僕としては主に「持ち出し用ノートパソコンの役割、従来のiPod touchの代替」が即戦力的使い道です。出先でのネットや調べものや読み物、小規模なプレゼンテーションなどに使うつもりです。もちろん大きな目的として、「電子書籍が普通になる糸口」としてのiPadにも期待してます。

しばらく前から、パソコンで見るためにScanSnapで「自炊(自前でスキャンしてPDF化)」作業を続けてます。究極的には少数を残して本棚を空っぽにするのが目標です。PDF化した書籍を見るのにiPadよりパソコンの大画面のほうが適してるのは当然なのですが、手持ちの書籍のほとんどがiPadに入ってしまったら、そりゃすばらしいなあと。

で、通勤しない僕的に、iPadを部屋で何に活かせるだろう? ってことについて。大きく二つの用途があり、実用になりそうです。

一つは、このきれいな液晶をそのまま活かす用途。フォトフレームというとベタですが、資料を参照するには最適。紙にスケッチするときなどiPadに資料を表示して左に置いたら便利。また、CGソフトのマニュアルなどを入れて参照するなど。これらは基本機能を使ってできることですが、予想もしなかった機能を追加する、すごいアプリがありました。

iPadをMacのサブディスプレイにできる「Air Display」。1024 x 768ピクセルの表示ができるってことは、15インチモニタを繋ぐのと同等です。最近流行りのUSB接続サブモニタがたいてい800 x 600ピクセルなのでぜんぜん広く、資料参照用には最適です。それも、Wi-Fi接続なのでワイヤレス。なんと、iPadのタッチパネルが(一本指だけど)効くため、簡単な操作ならできます。さすがに動作は遅いので絵を描くのは苦しいですが。こんな使い道があるとは思わなかった。大収穫!

Air Display < http://avatron.com/apps/air-display/ >

もう一つが、液晶タブレット的用途。以前から書いてますが、iPadには「お絵かきタブレット」的期待はぜんぜんしてませんでした。指で満足に描けるはずがないし、筆圧感知がないのはツライ。ところが、真っ先に購入したアプリ、Sketchbook Proにpogoペンで描いてみたところ、なかなかいい感じです。

pogoペンは先端がスポンジで妙な感触。最初は書きにくいですが、指の脂等で画面となじんでくると、実に軽快にスムーズに描ける。スポンジのおかげで、液晶タブレットにプラスチックのペン先で描くときに感じる「どうしようもなくツルツルでカチカチな感じ」がないのです。余分な手の動きがスポンジで中和される感じ。

pogo sketch < http://tenonedesign.com/ >

アプリ次第で拡大やスクロールやツール選びやUNDO等が指のジェスチャーでできるし、カーソルがないのでペン先とのズレがない。筆圧がないことを除けば、液晶タブレットよりも快適です。Painterとかでアナログっぽいタッチで描いてる人ならiPadで完結させられるかもしれない。

僕はA5の紙に鉛筆やサインペン等でスケッチするので、iPadでその感覚のまんまラクガキできます。大量にスケッチを描く仕事、たとえば絵コンテ作成などにiPadは最適でしょう。

ところで、pogoペンなどを使わず指で描く場合、たいていは人差し指で描くと思いますが、人差し指を画面に届かせるには手首を常時ひねってなきゃならないので苦しいです。いろいろ試してみたところ、手首をひねらず中指の先端側面で描くと具合いいようです。その時、画面を手の側に少し傾けると、さらに描きやすいです。

iPad用のお絵かきアプリをたくさん入手しましたので、またレポートします。

【吉井 宏/イラストレーター】

オプション品は何も買わなかったので、ケースやドックなどのアクセサリを買いに行くのが楽しみ! ところで、Adobe CS5アプグレはいまだに迷ってます。先々週書いた「一瞬矢印に変わるブラシカーソル」には慣れそうにないし、他ソフトも僕的決め手になるものがなく、ズルズルとこのままCS6を待つことになりそう。そうそう、まだ日本でリリースされてませんが、iPadアプリ「Adobe Ideas」にはちょっと期待してます。

●「毎月1日は映画サービスデー」CMに「ヤンス!ガンス!」登場
映画館に行くと、本編上映前に必ず流れる「マナー広告、兼、映画サービスデーの広告」CMってありますでしょ。あのCMにヤンス!ガンス!が登場です。現在、都内の映画館のほぼ全館で見れるはずです。エリアは拡大予定。
TVK(テレビ神奈川)で日曜18:25 〜 18:30放映中。music.jp、Wiiシアターの間でも配信中。アヌシー国際アニメーション映画祭2010 TVシリーズ部門にノミネートされました。
< http://meatordie.com/ >

HP < http://www.yoshii.com>
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/>;;;

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